金子です。
ティク・ナット・ハンさんの
著書に「怒り 心の炎の静め方」
という本があります。
僕がこの本を手にしたのは、
起業して数年は順調だった、
その流れが変わったときでした。
それま売り上げは倍々に
増えて勢いに乗ってました。
ただ、いっしょに仕事をしていた仲間から
裏切られるという一大事件が起こったのです。
僕のことを心から慕ってくれていると
思っていただけに、
精神的に大きなショックを受けていました。
また、
彼らに対して、
猛烈な怒りを持っていたのです。
そのときに、
この「怒り 心の炎の静め方」
という本を偶然本屋で目にしたんですね。
そして、手にとって、
読み始めたらもう止まらなくなって
しまいました。
僕は、この本を読んで、
自分がとった行動を
後悔しました。
僕は怒りに任せて、
仲間との関係を
自ら切ってしまったんです。
僕は怒りに負けて
大切なものを
失ってしまいました。
この本には
こう書かれていました。
「怒りというのは、
人生を台無しにするものだ」
と。
まさしく、
そのとおりだと
過去を振り返って
そう痛感しました。
この本のなかに、
ある夫婦のエピソードが
書かれています。
夫が大きな怒りを
抱えていて、
妻と息子が
彼の恐怖を感じている
という話です。
妻は絶望し、
自殺しようと思い、
友達に電話し
そのことを告げました。
その友達は
仏教徒で、
彼女にこう頼み込みました。
「仏教の法話のテープが
家にある。
死ぬのはそのテープを
聞いてからにしてくれ」と。
その妻は、
友達の家に行き、
そのテープを聞いたのです。
すると、彼女のなかで
大きな気づきと変容が
起こりました。
その後、彼女は、
6日間の瞑想の合宿に
参加することになるんですが、
その合宿で彼女に
さらに大きな変容が起こりました。
そして、合宿から
戻った彼女は、
夫にこう話します。
「あなた、
私はあなたがこの5年
とてもつらい思いをしてきたことを
知っています。
私はあなたを傷つけてきました。
私はあなたの苦しみを
わかってあげられませんでした。
あなたを幸せにしたいのに、
その方法がわからず、
毎日状況を悪化させるばかりでした。
本当に
申し訳ないと思っています。
でも、もうこれ以上こんな状態を
続けたくありません。
私に新しくやり直すチャンスを
与えてください。
あなたがとても
苦しんでいることは知っています。
どうかあなたの心の内を
私に話してください。
これまでのような過ちを
繰り返さないためにも、
私はあなたの苦しみを
知らなくてはいけません。
これ以上あなたを傷つけない
ために、私に力を貸してください。
あなたをもっと理解し、
愛するためには、
あなたの助けが必要です。
私はあなたを
ただ愛したいだけなのです。」
彼女がこう夫に告げると、
夫はその場で泣き崩れます。
小さい男の子のように。
そして、二人は
和解しました。
彼女は、
自分の怒りの
奴隷にならなかった。
怒りの下に
隠れている
自分の「本心」に
気がついて、
それに従ったんですね。
そして、
彼女が心から
求めていた、
夫との
愛し愛される関係
家族の強い絆
を取り戻しました。
怒りというのは、
傷ついてしまった自分を
ごまかすため
相手のせいにして
自分を傷つけないように
するための感情です。
こうした
人間に冷静な判断を失わせ、
人生を台無しにしてしまう感情のことを
ブッダは「毒」と呼んだそうです。
怒り、妬み、憎悪、恨み、自己嫌悪、
見栄、誤魔化し、、、、
これらの「毒」は、
人間の「本心」を覆い隠します。
「本心」のない生き方には、
心の充足はありません。
これは、
人生という大きなテーマの話なんですが、
起業においても大事なエッセンスを
教えてくれるものだと思っています。
「本心」でやっていないビジネスに、
人を引き付ける魅力は宿りません。
「心からこれをやりたい」
「魂レベルでこれを実現したい」
そういった「本心」、、、、
言い換えるなら、
自分自身の根幹となっている
「コア」と一致したビジネスに
人が集まるようになっています。
世の中に、
ここまで専門家が飽和しているなかで、
「際立った存在」になるためには、
儲かるからやる
ライバルが少ないからやる
ニーズがあるからやる
という頭のレベルでではなく、
「心からこれをやりたい」
「魂レベルでこれを実現したい」
といった
「本心」が宿っているか
自分自身の根幹である
「コア」に根ざしているか
が問われるようになっています。
前回のメルマガでは、
「際立った存在」になるためには、
商品としての
「コンテンツ」
つながり・体験性としての
「コミュニティ」
人の要素としての
「コンテクスト」
の3つのCが必要という話をしました。
そして、
これらのもっと大事な要素となっているのが、
あなた自身の根幹である「コア」なんですね。
「偽りなき自分」「本心の自分」で
ビジネスを構築できていることが、
これからの専門家飽和時代に
「際立った存在」になるうえで
もっとも重要な鍵となります。
あなたがビジネスをするうえで
大事にしたい「本心」はなんですか?
自分の世界観をつくりたいと
思う方は、
ぜひパソコンもスマホも
テレビもとめて、
じっくりとこの問いに
向き合ってみてくださいね!
では、また次回のブログで。
今日も素敵な1日をクリエイトしましょう!
金子