金子です。
糸井重里さんの「インターネット的」
という本を読みました。
この本は、インターネット社会の
未来を見事に予測した本としても
有名なんだそうです。
最近僕は本屋で気になった本を
ごそっと5冊くらい持ってきて、
目次と1ページ目を読み、
「おもしろそう!」とぴんと来たものを
読むスタイルになってきていて、
この「インターネット的」も
なんだか気になって手にとった1冊。
ちなみに本選びについていうと、
「期待はずれ」だとものすごくがっかりします。
良書に出会う確率なんて
ぼくの経験的には30冊に1冊くらいの感覚。
なので良い本に出会えることほど
幸せなことってないなと思います。
そういう意味では、
この「インターネット的」は
「アタリ」といえる良書でした。
糸井さんがこの本のなかで
予測していることを、
ぼくなりにざくっと
凝縮してみたいと思います。
あくまでもぼくの解釈なので、
参考程度に聞いてください。
まず「インターネット的」
という言葉の意味合いについて。
本のなかでは、
明確な定義が書かれてないんですが、
ぼくはこんなふうにとらえました。
インターネットのなかで
おこなわれる人と人のやりとりの様式。
つまり、インターネットによって、
僕たちの生き方や働き方に
起こる変化たちのことだと思っています。
そして、
糸井さんの話をずっと読んでいて、
ぼくが感じ取ったエッセンスはこう。
これまで「もの」中心だった人間の
インタラクション(交流)やトランザクション(やりとり)が、
「心」を中心としたものになる。
これまでの文明や技術の進化によって、
3つのステップで社会が変化をしてきた。
農業化によって、食べることの満足が実現。
↓
工業化によって、ものの満足が実現。
↓
情報化によって、知りたいことの満足が実現。←今ここ
インターネットがもたらした社会では、
情報があふれすぎていて、
自分にとってなにが重要なのか、
その「プライオリティ」をつけられなくなる
という社会的な現象が起こっている。
つまり、
自分がどうなりたいのか?
どうなったら幸せなのか?
なにが欲しくて、
なにが要らないのか?
こうした自分自身のことが
わからなくなってしまうことで、
ものごとの「プライオリティ」=
優先順位がわからなくなってしまう。。
ものにあふれ、
情報にあふれていて、
豊かな社会にはなった。
だが、
肝心の自分が
その波のなかでおぼれてしまって、
幸福度が低い。
というのが現代社会で
大きなテーマになっている。
だから、これからの時代、
「魂」の満足を求める社会になる。
便利さと幸せというのは、
必ずしも比例するものではない
ということですよね。
心の時代と言われるのは
こうした社会の変化が背景にあるんですね。
そして、
「迷い」という問題が大きくなることで、
コンサルやコーチングやカウンセリング、セラピー、
ヒーリング、占い、スピリチュアルという
産業、マーケットも大きくなる。
だから、この先、
この手の職業はニーズが増えるし、
専門家が増える。
この5年くらいは、
「ひとの迷いをなくす仕事」という
カテゴリーの市場は大きくなるのでないかと
勝手に予測しています。
■もう1つ共感したこと。
糸井さんの本のなかで、
もう1つ共感したことがあります。
本のなかでこんな実験結果が
紹介されています。
ある社会心理学者が
「どういう戦略を持ったひとが
ゲームに勝利するか」
という実験をおこなったところ、
「相手をだまそうとするプレイヤーよりも、
正直なプレイヤーのほうが大きな収穫を得る」
という結果になったそうなんです。
糸井さんはこの
「正直が最大の戦略」である
ということにすごく救われた気がしたし、
みんなにとっても勇気になるはずと
感じたと書いています。
これまで、
経済では資本を持っている会社や
大手が強い時代だった。
でも、
そんな時代も変わる。
めぐりめぐって
どれだけ社会や自分たちに
利益がもどってくるか、
という視点で会社を選ぶ時代が来るかもしれないと。
アメリカでは、
社会課題を解決する会社に特化した
ベンチャーキャピタルや投資家が増えているという。
クラウドファンディングなどでも、
自己利益型のプロジェクトよりも、
社会志向のプロジェクトや
共感するプロジェクトにお金が集まっている。
社会をよりよくする会社が成長する。
すでにすこしずつそういう時代になりつつあるのかもしれません。
「勢い」や「力」や「ブランド」
を持ったプレイヤーが勝者になるというのは
これまでの当然の論理でした。
でも、これからは、
もっと違った尺度の会社が「評価」される
時代になっていくのかもしれないですね。
「正直が最大の戦略」
これがあたりまえの時代になったとき、
どんな社会になっているんだろう。
そう考えるとおもしろいですね。
今日の話は、
ぼくらのような個人ビジネスを
やっている側の人間からすると、
大きい話に聞こえるかもしれません。
ただ、
前半で書いたような
「心を満たす」「魂を満たす」という
マーケットがすでに成長しているし、
稼いでいるひとが増えていることも事実。
また、
その成長する市場に、才能も感性も
情熱もガッツもある若いライバルたちが
つぎつぎに参入しています。
単純に、
情報発信するだけでは、
埋もれてしまう時代です。
そのなかで、「どう稼いでいけるか」
これは確実なサバイバルの時代だと思いますよね。
稼ぐために必死になるのか。
それとも楽しんでやりながら稼ぐのか。
この2つのスタイルで
おおきく二極化するかもしれません。
ビジネスを楽しみながらおおいに稼ぐスタイル。
これをつくっていくために、
もっとも大事になる条件は、
マーケティングでも、
セールスでも、
ビジネスモデルでもありません。
自分にとっての幸せとはなにか。
自分にとってなにが大切で
なにが大切でないのか。
これを定義できること。
自分を低く扱わない
「セルフ・インテグリティ(自己高潔力)」
これがなにより大事な条件です。
個が強くなることで、
ビジネスも強くなる。
でも、その個が、
もろく、よわくなりつつある時代でもあります。
インターネットがもたらした社会は、
より人間的なひと本来の幸せを
ぼくたちに問いかけてくる社会だといえます。
そして、その問いは
明快な答えのない問い、です。
答えがないことが増えていくなかで、
迷いもまた増える時代において、
大事なことは、
答えを見つけるよりも、
数ある選択肢のなかから
自分にとっての最適な選択肢を
選び抜く力。
裏を返せば、
自分にとって必要ではない
選択肢を見極められるかどうか。
自分のなかに、
「必要」「不必要」の評価の基準が
あるかどうか。
こうしたことをいわゆる「自分軸」
と呼ぶわけですね。
そして、
ぼくたちのような専門家型ビジネスでも、
この「自分軸」というのは基盤になるものです。
これが情報発信のもとになるからです。
発信するものに対して、
自分自身をどれだけ込められるか。
どれだけスピリットレベルで
メッセージを発信できるか。
あなたの世界観やビジョンをどれだけ
明快に言葉にできるか。
これができる人材が、
どんどんひとを集め、
稼げるひとになる時代に
変わりつつあるのかもしれませんね。
糸井重里さんの「インターネット的」
おもしろいのでぜひ読んでみてください^^